常設展示室 1F 2009 MOMASコレクション 第2期

2009.7.25 [土] - 10.18 [日]

憂いと輝きの美-エコール・ド・パリとその時代

故国を離れ芸術の都・パリに集ったボヘミアンたちの「憂いと輝き」をシャガール、パスキン、キスリング、藤田嗣治、田中保らの作品を中心に紹介するとともに、二つの大戦に翻弄されながらも、海を越えてさまざまな芸術交流が生まれた時代の一端を振り返ります。また、マン・レイの写真など、同時代のシュルレアリスムの作品も併せて展示します。

見えるものと見えないもの-彫刻・立体を中心に

大型の立体作品を含め1970年代以降の日本の現代彫刻を、絵画や版画、素描、さらに制作過程を示す写真や映像をまじえて紹介します。戸谷成雄の森シリーズのはじまりに位置する《湿地帯》。丁々発止のかけ声を放っているような最上壽之《バッ ドラネコミャオー》。燃え立つ炎が秘かな供犠のような雰囲気を伝える遠藤利克《泉-9個からなる》の制作情景。本作では、円筒形にくりぬかれ焼かれた巨木が、ブラックホールのように寡黙で不気味な存在感を伝えています。その他、目に見えない空間の成り立ちを感じさせる菅木志雄《四囲分集》(寄託作品)、金色の翼が印象的な深井隆《逃れゆく思念-時の曳航(えいこう)-》、吉田克朗《650ワットと60ワット》など、多様な日本の現代彫刻の世界をお楽しみいただきます。

併設展示「木村直道」:8/11~10/18

風刺とユーモアに富んだ独特の「スクラプチュアー」(廃物彫刻、スクラップとスカルプチュアーを掛けた作家の造語)の創始者として名高い木村直道の世界を、晩年のユニークな油彩画をまじえて紹介します。

特別公開 小村雪岱《日本橋》3部作:7/25~8/9

装幀、挿絵、舞台美術など多方面にわたり卓越した仕事を展開し、近年ますます再評価の進む異色の画家・小村雪岱の、きわめて稀少な肉筆画の白眉となる《日本橋》3部作を装丁本の資料とともに紹介します。端正で抑制された筆の内に小粋な江戸情緒が静かに響き渡る雪岱ならではの世界をご堪能ください。(《雪の朝》についてはご所蔵家のご厚意により今年度特別にお譲りいただき、当館所蔵の2作とあわせて3作品すべてを収蔵することができました。)

会期

2009.7.25 [土] - 10.18 [日]

休館日

月曜日(ただし、9/21、10/12は開館)

開館時間

10:00~17:30  (入場は17:00まで)

観覧料

一般200円(120円)、大高生100円(60円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※中学生以下と65歳以上、障害者手帳をお持ちの方(付き添い1名を含む)はいずれも無料です。展覧会入場時に確認いたしますので
・65歳以上の方は、年齢を確認できるもの(運転免許証、健康保険証等)をご持参ください。
・障害者手帳をお持ちの方は、手帳をご持参ください。
※企画展観覧券をお持ちの方は、あわせてMOMASコレクションもご覧になれます。

ジュール・パスキン《眠る裸女》1928年

田中 保《黒いドレスの腰かけている女》1920-30年

吉田克朗《650ワットと60ワット》1970年

菅 木志雄《四囲分集》1994年 寄託作品/双ギャラリー蔵

木村直道《シンバルを叩く男バックミラー楽団》1965-68年

展示室の様子

MOMASコレクションロゴ

埼玉県立近代美術館では、2008年度より「常設展」という呼称を「MOMASコレクション」に改めました。当館の常設展では2002年度以降、外部からの借用作品や現存作家のご協力によって、所蔵作品を核としつつも従来の常設展のイメージに捉われない、企画性の高いプログラムを実施してきました。名称変更はこうした意欲的な姿勢を示そうとするものであり、これまで以上に充実した展示の実現を目指しています。

※MOMAS(モマス)は埼玉県立近代美術館(The Museum of Modern Art, Saitama)の略称です。